The European question (Japanese version)
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The European question (Japanese version)

ヨーロッパに関する質問

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日本のアウトバウンドは増加しています。今年初めからのアウトバウンド取引は478件で、1,902件の米国、785件の中国に続き、3位となっています。これは日本の国内市場が縮小し、成長機会を海外に求める上場企業が増加していることが主な要因です。2015年6月に導入されたコーポレートガバナンスコードにより、上場企業は中長期的な企業価値の向上のための積極的な対応が求められるようになりました。また、消費財企業や保険会社など、成長機会を海外に求める国内企業も増加しています。

スペインやEUに投資する場合、日本の企業が注意すべき規制領域はありますか?

スペインでは他の欧州連合(EU)加盟国と同様に、外国投資は完全に自由化されています。基本的に外国人投資家に対する参入障壁はありません。防衛、銀行、保険、ライフサイエンス、公益事業、電気通信など、規制対象となる可能性のある業種もありますが、これらの業種に対する外国企業の投資が禁止されているわけではありません。スペインの市場監督機関は、戦略的または公共性に関連する特定の市場部門を管轄しています。これらの市場は、他の市場に比べると規制が厳しくなっています。

日本の企業が直接投資を行ってきた業種は何ですか。どのような場合に、独占禁止法や競争規則の対象となる可能性がありますか?

1980年代と1990年代は日本からの投資は多く、特に、自動車産業で企業買収が活発に行われましたが、スペイン当局が規制強化に動くことはなく、EUとスペインの法規制を違反しない限り、スペイン経済への外国投資はむしろ歓迎されました。潜在的な競争相手も含め、現在の巨大なEU市場で競争相手に打ち勝ち、相当なシェアを占めた場合には、EUまたは当該国の規制当局が定める競争規制の対象になる可能性があります。

日本の企業がヨーロッパの資産を取得し始めて30年以上が経過しています。これまでに、独占禁止法違反や外国投資の審査対象になった事例はありますか?

これまで、EU、特にスペインに対する日本の投資は工業部門を中心としていましたが、独占禁止法違反に関する長期的な訴訟は起きていないようです。実施される取引の種類やとその結果として継承される市場シェアによって事象が異なります。日本からEUへの投資が始まって30年になりますが、特定の市場を占有する傾向はみられません。特定の市場で急激にシェアを支配した例も記憶にありません。今後、独占禁止法違反で訴訟が発生する可能性もありますが、外国またはEUの他の管轄区域の投資家の場合に手続きが煩雑になることはありません。

スペインおよびEU加盟国に上場している企業に投資を行う場合、日本の企業が注意すべき規制はありますか?

日本の投資家が上場企業を買収する場合、スペイン証券取引所が定める上場規制の対象となりますが、一定の基準を満たしていれば、投資家の国籍に関係なく、株式公開を行うことができます。投資家の国籍に応じたゴールデンシェアは存在せず、遵守すべき規制があっても、投資家の国籍とは関係ありません。

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