The Japanese Overseas Investment Report 2017: Indonesia (Japanese version)

Author: | Published: 29 Mar 2017
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インドネシア

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SECTION 1: 市場見通し

1.1 日本の企業文化の影響に対するあなたの国の姿勢を要約してください。

この数年、インドネシアと日本の経済連携は強化され、急速な成長を遂げています。歴史的に見ても、インドネシアにとって日本は重要な戦略的パートナーであり、最大の貿易相手国です。インドネシアは天然資源の主要な供給国で、特に液化天然ガスは最大の供給元となっています。インドネシアに対する日本の投資額は東南アジアの他の国よりも多く、インドネシア投資調整庁(BKPM)のデータによると、日本からインドネシアへの直接投資は大幅に増加し、149億ドルに達しています。2015年までの5年間の平均成長率は30%です。

1.2 今後1 2ヶ月における日本からあなたの国への投資の見通しは?

2019年までのインフラ投資額は4,600億ドルと予測され、この中の30%は民間部門が占めると見られています。日本からの投資額が多いセクターは交通と電力ですが、産業部門、特に自動車部品、電気製品、選鉱、発電所、石炭ガス化、石油化学製品、ガラス工業などに多額の投資が行われています。

インドネシア政府は2015年、今後5年間で35,000 MWの発電能力を確保し、電力不足の解消と経済成長の促進を目指すという意欲的な計画を発表しました。この計画において、日本からの投資も重要な役割を果たすことが期待されています。住友商事が出資しているPT Bhumi Jati Powerが建設した中部ジャワ州の石炭火力発電所(1000 MW x 2基)には総額で40億ドルが投資されています。伊藤忠商事とJ-Powerはバタンで進めるで1000 MW x 2基の発電所建設に総額で40億ドルを投資しています。また、丸紅はチレボンの1000 MW発電所の拡張プロジェクトに総額で20億ドルを投資しています。安倍晋三首相のインドネシア訪問で、鉄道事業、港湾拡張、灌漑施設の建設、深海ガス田開発など、潜在的な協力可能分野が多く存在することが明らかになりました。

インフラ開発に対する姿勢を明確に示すため、インドネシア政府は予算を修正し、燃料補助金を削減して200億ドル以上をインフラ整備費に当てています。また、外資誘致のため投資手続きを簡素化しています。たとえば、いくつかのセクターで外国資本率の規制を緩和し、投資手続きをBKPMに集約し、投資許認可の期間短縮を進めています。

SECTION 2: 外国投資の承認

2.1 外国資本投資の認可プロセスとスケジュールを説明してください。

外国からの投資を行う場合、BKPMの指導に基づきPMA企業という外国資本の会社を設立します。ただし、銀行、金融、保険業界はインドネシア金融庁(OJK)の管轄となり、別の規制が適用されます。

新しいPMA企業を設立する場合、BKPMに申請してから審査が完了するまで3か月から6か月ほどかかります。主な手順は次のとおりです。

1) 会社名の予約

2) アクセスコードの取得。BKPMのオンライン申請に使用します。投資申請もBKPMにオンラインで送信します。

3) BKPMでの原則許可の取得

4) 設立証書の作成。公証人の面前で、定款の内容から構成される設立証書を作成します。

5) 必要書類の取得。所在地証明書、納税者番号などを取得し、銀口座を開設して資本金を払い込みます。

6) 法務人権省による認可(この時点で登記が完了します)

7) 商業省での定款の登録。官報での定款の記載など、他の行政手続を行います。

8) 営業許可(IU)を取得後、営業開始。このライセンスは、PMA企業が事業を継続している間、有効となります。

BKPMは、インドネシアに新規投資をする投資家に3時間で事業ライセンスを付与するサービスを提供しています。このサービスの対象となるのは、以下のいずれかの条件を満たす投資プロジェクトです。

1) 最低投資額が1,000億ルピア以上であること

2) 1,000人以上の従業員を雇用すること

3) 特定の製造業に従事すること

4) 自由貿易協定の適用地域にあること

5) サプライチェーンを構成する特定の製造業に従事すること

6) 経済特区にあること

7) 特定分野のインフラ整備プロジェクトであること

2.2 特に規制されている分野での投資の制限はありますか?また、政府はそれらの分野に於ける特別な権限を有していますか?

PMA 企業が許可される事業領域はネガティブリストで制限されています。ネガティブリストには、インドネシア国内企業および外国企業が制限または禁止される業種が記載されています。

ネガティブリスト以外にも、特定の事業を管轄する法規制により、外国資本に許可される業種が制限される場合があります。この場合、規制業種に従事するPMA企業が完全な外国資本であるかどうかに関わらず、規制の対象になります。

特定の業種がネガティブリストに指定されていない場合でも、BKPMおよび関連技術の省庁(該当する場合)に外国資本に対する条件や規制を確認しておく必要があります。

2.3 どの機関が競争承認を監督していますか?また、合併承認のプロセスの概要を説明してください。

インドネシアでは、事業競争監視委員会(KPPU)が企業合併を監督しています。合併後の資産総額が2兆5,000億ルピア(1億8,700万ドル)以上、年商が5兆ルピア以上の場合には、KPPUに報告する義務があります。いずれかの条件を満たした場合、合併後にKPPUに届け出る必要があります。

事前の相談も認められていますが、事前相談の結果でKPPUが合併を承認または却下するわけではありません。KPPUは合併後に審査を行い、書面で通知します。書面による通知は、合併の結果、独占的行為および不公正な事業競争が発生する可能性の有無を示唆するものです。この結果に法的拘束力はなく、評価結果に関わらず、買収計画を進めることは可能です。

報告対象の取引を取引発生後30営業日以内にKPPUに報告しなかった場合、KPPUは遅延日数1日あたり最大10億ルピア(75,187ドル)、総額で最大250億ルピアの制裁金を賦課します。さらに、届け出を全く行わなかった場合、最高額(250億ルピア)の制裁金が賦課される場合があります。

2.4 他に外国投資家が気をつけるべき認可要件はありますか?

雇用に関する許可

PMA企業が外国人を雇用する場合、外国人雇用計画書(RPTKA)を事前に提出し、承認を得る必要があります。RPTKA以外に、雇用する外国人の外国人労働許可証を申請しなければなりません。RPTKAおよび労働許可はBKPMに申請します。

土地に関する許可

投資に必要な土地を取得する場合には、開発許可が必要になります。これにより、事業投資目的での権利の譲渡および土地利用が許可されます。インフラまたは製造拠点として土地が必要になる場合には、開発許可を取得する必要があります。開発許可は、土地の購入前に取得しておかなければなりません。建築工事を行う場合には建設許可も必要です。

環境に関する許可

事業活動が環境に重大な影響を及ぼす可能性がある場合(たとえば、現行の法規制で規制されているような環境変化の原因となる場合)、環境影響評価(AMDAL)の実施が義務付けられています。事業活動がAMDALの対象外であっても、環境に対する影響がある場合には、環境管理策(UKL)および環境監視策(UPL)に関する報告書を作成する必要があります。AMDALまたはUKL-UPLの必要がない事業活動を行う場合でも、環境を管理および監視することを書面で提示する必要があります。

AMDALまたはUKL-UPL.の対象となる事業活動を行う場合には、環境許可が必要になります。環境許可証がない場合、関連する事業活動の営業許可は発行されません。

その他の承認

地域自治が進んだ結果、インドネシアの地方で事業を展開する場合、当該地域の認可または許可が必要になるケースが増えています。また、特定の技術省庁がPMA企業に対する規制を行っている場合もあります。PMA企業の活動に影響を及ぼす可能性があるため、政府および地方自治体の方針、規制、手続を順守しているかどうか注意を払う必要があります。税務上の優遇処置の要件については、セクション 6.3 に記述します。

承認条件のほかにも、PMA企業に関連する報告義務についても注意が必要です。

SECTION 3: 投資技術

3.1 あなたの国で日本からの投資に使われる最も一般的な法人形態は何ですか?

インドネシアに対する外国投資は通常、PMA企業の形態で行われます。銀行を除き、外国企業の支店設立は認められていません。また、駐在員事務所にはマーケティングおよびプロモーション活動のみが許可されています。

PMA企業はインドネシアの有限責任会社です。特定の規制が適用されますが、外国の投資家とインドネシアのパートナー(法人または個人)でジョイントベンチャーとして設立することも、外国資本のみで設立することもできます。インドネシアに外国資本が進出する場合、原則として新しいPMA企業を設立するか、既存企業の株式を取得する(株式取得後にPMA企業に移行)かのいずれかになります。

前述のように、BKPMがインドネシアの外国投資を監督していますが、外国投資の手続をBKPMに集約するため、一部の技術省庁は特定の機能をBKPMに移管しています。

3.2 これらの法人形態の設立と事業活動にとって重要な必要条件とは?

最低資本金

PMA企業の払込資本金は25億ルピア以上が必要で、各株主の出資金額は1,000万ルピア以上でなければなりません。BKPMがより多くの資本投資を求める場合もあります(発電所、有料道路などの資本集約事業の場合)。

最低投資額

PMA企業の投資の合計額は、土地建物を除き100億ルピア以上でなければなりません。

外国資本の株式保有比率の上限

前述のセクション2.2を参照してください

SECTION 4: 紛争解決

4.1. 現地の裁判所の施行と紛争解決の訴訟手続はどれくらい効果的であるのか?また、日本の投資家が特に気をつけるべき点とは?

インドネシアの法制度での商事訴訟は非常に高額で、時間がかかり、予測が不可能です。インドネシアの裁判官は先例にとらわれず、公平性と合理性に基づき、自らの裁量で判断を下します。インドネシアの裁判所では特定の事実に基づいて判決が下されます。原則として、インドネシアの高等裁判所(地方裁判所、最高裁判所)は民事訴訟と刑事告訴を扱います。殆どの場合、上訴可能なため、訴訟費用の回収はほぼ不可能です。法律の特定の領域を専門的に担当する管轄裁判所もあります。たとえば、商事裁判所では、倒産や知的財産権に関する訴訟を扱っています。このため、商事紛争は通常、仲裁などの裁判外の方法で解決されています。特に、インドネシアで事業を行う外国企業の場合、このような方法で紛争解決が行われています。

インドネシアでは、外国仲裁判断の承認・執行も認められています。詳細は、セクション4.3を参照してください。

4.2. あなたの国では日本との二国間投資保護協定を締結していますか?また、投資家によってその協定は一般的に活用されていますか?

インドネシアは、日本と二国間投資協定を締結していません。

4.3. 現地の裁判所は外国の判定を尊重していますか?また、国際仲裁判断は法的効力がありますか?

インドネシアは、裁判判決の相互施行に関連する条約を批准していません。原則としてインドネシアでは外国裁判判決の承認・執行をできません。被害者がインドネシアの関連する地方裁判所で新たに訴訟を起こす必要があります。外国裁判所の判決は証拠として提出できますが、インドネシアの裁判所がこの判決に拘束されることはありません。

インドネシアは、外国仲裁判断の承認及び執行に関する1958年のニューヨーク条約を批准しているため、インドネシアの仲裁および裁判外紛争解決に関する法律では、インドネシアでの外国仲裁判断の承認・執行を認めています。外国仲裁判断の承認・執行を行うには、外国仲裁判断を中央ジャカルタ地方裁判所に登録し、執行許可命令(exequatur )を取得する必要があります。

SECTION 5: 外国為替規制と現地のオペレーション

5.1 外国の投資家が留意すべき外貨と為替制限は?

インドネシアでの投資活動のリスク要因となる為替制限はありません。インドネシアのルピアはどの通貨とも交換できます。ただし、インドネシア国内の銀行で外貨購入が100,000ドル(または相当額)を超える場合、当該銀行に証明書類を提出する必要があります。

また、インドネシア国内での取引にはルピアを使用する必要があります。輸出入など、特定の取引を除き、インドネシア国内での支払いおよび金融取引にはルピアの使用が義務付けられています。

SECTION 6: 税務上の影響

6.1 日本の投資家にとって特に役に立つ有益な税の仲介法域または税制はありますか?

日本とインドネシアの間では、税率の引下げと二重課税の排除を目的として租税条約が締結されています。特に、租税回避地にある外国企業とインドネシア企業間で株式の譲渡を行った場合、この外国企業が特別目的会社として運営されてれば、取引額の25%が課税対象所得が控除されます。ただし、該当する租税条約で排他的課税権が認められている場合、この課税処置は適用されません。この他にも日本の投資家が利用できる優遇処置もあります。インドネシアは最近、移転価格に関する規制を追加しました。

6.2 配当に対する法人税と源泉課税の適用率はどのくらいですか?

法人税率は25%です。配当受領者が居住者の場合、配当に対して15%の源泉税が課税されます。配当が積立金から支払われている場合、または配当を行う会社の払込済み資本金が25%以上の場合に源泉税は課税されません。配当受領者が非居住者の場合、配当に対して20%の源泉税が課税されますが、租税条約により軽減税率が適用される場合があります。

6.3 政府は税制上の優遇措置を構築していますか?

はい。国外の資本財を必要とするPMA企業は、機械、機器、部品の輸入認可を得るため資本財のマスターリストをBKPMに提出し、所定の要件を満たすと優乳関税が課せられます。また、事業活動の種類や地域によっては、控除や免税期間が設定されています。一般に、インフラや創始産業(電気通信、原油精製、産業機械製造)など多額の投資を必要とする業種に対して控除または免税期間が認められています。

租税特赦の資産申告期間が2017年3月31日に終了します。この期間に申告された隠し資産に対する課税は免除されます。

6.4 あなたの国と日本との間で相互的な租税協定はありますか?あればそれは投資家にとってどのような助けとなりますか?

あります。インドネシアと日本の間での二重課税を排除し、課税対象によっては税率が良くなります。投資家によっては、二重課税の回避はメリットの一つとなります。

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著者略歴
ヴィンセント・アリエスタ・リー
パートナー、Makarim & Taira S

インドネシア・ジャカルタ
電話: 6221 252 1272
F: 6221 252 2750
メール: info@makarim.com
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ヴィンセント・アリエスタ・リーは、幅広い法律経験と顧客のビジネスコンテキストに対する鋭い感覚を兼ね備えたMakarim&Taira S.のパートナーです。リーは、インドネシアの法規制の観点からビジネスを見直し、助言を行っています。従来の企業活動だけでなく、エネルギーやデジタル空間など、インドネシアで急速に発展している分野にも精通しています。著名な企業を代表して、買収、プロジェクトファイナンス、破産紛争の解決、外国仲裁判断の実施、天然資源やエネルギー(鉱業、石油、ガス、発電所)、情

報技術/新興企業などの取引や訴訟を担当してきました。また、企業、アジア法学生協会、パジャジャラン大学、プリタハラバン大学などで開催されたセミナーや会議で、発電所、鉱業、エネルギー資源、倒産に関する講演を行っています。 


About the author
 

ヨハネス・マゼンギ
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ヨハネス・マゼンギは、投資、インフラ、発電プロジェクト、港湾開発、M&A、ジョイントベンチャー、雇用、企業再建で実績のある法人/企業グループ担当のパートナーです。

土地取得、プロジェクトファイナンス、天然資源、エネルギーなど、様々な訴訟や取引で著名な企業を支援してきました。インドネシアの大規模発電プロジェクトでは、独立発電事業者が300人の従業員を解雇して発生した労使紛争で会社側を代表して和解交渉を担当しました。インドネシア仲裁委員会(BANI)では、地方の保険会社の建設保険請求に対して国有企業を代表して仲裁を行いました。様々な国有企業との契約で法律上の上限を行っています。また、インフラ事業用地として約85ヘクタールの土地取得をサポートしています。様々な合弁事業の法的支援、インドネシアでの企業設立、事業活動に関する様々な問題に法的な助言を行っています。